デビッド・ボウイからプロポーズされた被告人。

平成20年 合(わ) 第172号 殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反
西牧由香里(42)



まずは当時の報道をご覧下さい。

小1女児が刃物で切られ重傷 近所の42歳女を逮捕 東京・文京区

18日午後4時半ごろ、東京都文京区千駄木の路上で、近くの区立小1年の女児(7)が、突然女に包丁で顔や足などを切りつけられた。女児は病院に運ばれたが、全治1カ月の重傷。女は犯行後、現場前の自宅に戻ったところを、通報で駆けつけた警視庁駒込署員に傷害の現行犯で逮捕された。
逮捕されたのは無職の西牧由香里容疑者(42)。調べに対し「子供の声がうるさかった」などと供述しているが、話にあいまいな点もあるため、駒込署は刑事責任能力の有無についても慎重に調べる。
調べでは、西牧容疑者は自宅から外に出て、路上で友人2人と遊んでいた女児の手などを3回切りつけた。友人2人にけがはなかった。帰宅した女児の訴えで母親が110番通報している間に西牧容疑者は自宅に戻ったが、署員が駆けつけると「やった」と素直に認めたという。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080118/crm0801182032032-n1.htm


ご覧の通り、小学1年生の女の子を刺した事件です。
まぁ、事件の内容を見れば分かる通り、精神に異常をきたしてる方です。


起訴状
被告人は、
第一に、平成20年1月18日午後4時30分頃、東京都文京区千駄木4-3の路上で、岡田スズネ当時7年を包丁で殺意をもって同女の首の付け根に突きつけたが、怪我を負わせるに止まり、その目的を遂げなかったものである。
第二に、業務、その他の正当な理由がないのに、刃体16cmの洋包丁を所持したものである。



罪状認否
「はっきりとその時になにをしたかったのか分からなかったです」

裁判長「内心のことは別に、あなたがしたことは間違ってないんですか?」

「したと思います」

裁判長「殺意はあったんですか?」

「覚えてません」

裁判長「あったかもしれないということですか?」

「よく覚えてません」

裁判長「弁護人の意見は?」

弁護士「殺意はなかった。また、統合失調症による心神喪失状態であり、被告人は無罪である」



冒頭陳述

本件は、被告人が自宅近くで遊んでいた岡田スズネ7歳に対し、自分のことを馬鹿にしたと感じて、包丁で首のところを刺したという事件です。
被告人は平成18年夏にアルバイトを最後に、現在まで無職です。
1人暮らししながら、親の援助で生活していました。
被告人は、感情の不安定さから、些細なことに怒り、他の者が自分を馬鹿にしてると思い込む性格でした。
定職に就いてないことの引け目もあって、近隣住民に敵対心をもっていました。
平成20年になると、機会をみつけて近隣住民や知人を殺したと考えるようになり、刃体16cmの包丁を研いで準備していました。
被害者は、近所に住む小学1年生の女の子です。
被告人は、自分を馬鹿にしてる近隣住民の娘だと思っていました。
平成20年1月18日午後3時過ぎから、同級生の女の子2名と遊んでいたところ、被告人は被害者が自分のことを馬鹿にしにきてると考え、同日午後4時30分頃、被害者の様子が気になり、外に出ていきました。
その時、被害者が被告人のことを見たことから、自分を馬鹿にしたと思い、殺そうと決意しました。
自宅に戻り、用意してあった洋包丁を手にとり、すぐさま被害者の正面に立ちました。
被害者は身長120cm体重20kgくらいなので、見下ろすように立ちました。
そして被害者が逃げられないように、左手で被害者の襟首を掴み、3回ほど思い切り包丁を突き下ろしました。
被害者は、お腹を刺そうとしてると思い、お腹を庇うようにしゃがみこむかたちになったことから、首の付け根にはあたりませんでした。
その後、被告人は被害者に「親のところに行って、警察を呼べ」と言い、自宅に戻りました。
そして到着した警察官に逮捕されました。
被害者は、左頬部、下腿部、左手背、左上腕部に切創を負っています。
医師の診断によると、左頬の切創と下腿部の切創は、傷が残る可能性が高いと述べています。

本件の争点は、殺意の有無と、責任能力の有無です。
一、殺意の有無
1、刃体16cmの洋包丁は、人を殺すに十分なものであり、きちんと切れるように、予め研いでいた。
2、体格差のある被害者を逃げられないように襟首を掴んで、首の付け根を狙って包丁を振り下ろしている。あと5cm下に頚動脈がある、左頬に怪我を負った。立った体勢で、思い切り振り下ろした。その為、尻餅をついた被害者の下腿部まで怪我を負わしている。
3、近隣住民が馬鹿にしてると考え、殺したいと考えていた。また、被告人は逮捕された当初から、被害者を殺すつもりだったと述べている。

二、責任能力の有無
1、精神障害の有無。
●情緒不安定性パーソナリティ障害
●妄想性パーソナリティ障害
これらは、医師の診断により、被告人に認められた障害で、これらは性格の偏りであって、善悪の判断能力などに影響は及ぼさないと述べている。
2、弁護人の主張、
統合失調症により心神喪失だったと述べるが、被告人の症状は思い込みと同等のものである。

完全責任能力
●動機 十分に理解可能である。
●計画性 包丁を研ぐなどしている。
●違法性 警察を呼べと述べている。
●合目的性 被害者以外には攻撃していない。首の付け根を狙っている。



弁護人の冒頭陳述
被告人は、平成12年頃から複数の精神科で治療をうけてきました。
5ヶ所の精神科に通い、そのうち3ヶ所で統合失調症を疑わせる旨の診断をうけました。
被告人は、イギリス人歌手のデビッド・ボウイからプロポーズされ、ファンから恨まれてると思い込んでました。
また、宗教団体から狙われていて、近隣住民から嫌がらせをうけ、ラジオのDJが自分に話しかけてくる。
こういった妄想、幻覚がありました。
被告人は、シナノチカコという女性と親しく付き合っていました。
ところが、貸した者を返してくれないと尋常でない怒りを覚え、自分を馬鹿にしている、自分を馬鹿にしてるということは、自分にプロポーズしたデビッド・ボウイを馬鹿にしてると思い、殺そうと決意しました。
平成20年1月8日がデビッド・ボウイの誕生日であることから、この日に殺そうと決意しましたが、外が寒かったことから中止しました。
事件当日、シナノさんの職場に行き、殺害する計画をたてていました。
昼過ぎ、近所に住むナカモリさんが家の前を通りすぎました。
その時の話し声が、馬鹿にしたと思い、殺害しようと包丁を持って玄関まで行きましたが、玄関にいる猫を見て中止しました。
そして4時30分頃、外から子供の声が聞こえてきました。
被告人は1階に下り、玄関を開けて外を見ました。
その時、子供達のうちの1人が近づいてきて、とても厭らしい目つきで、「サリン君だサリン君だ」と言われました。
それに激怒した被告人は、玄関脇に置いてあった包丁を持ってきて、その子の襟首を掴みました。
すると、さらに厭らしい目つきで睨んできた為、包丁を突き下ろしました。
そして、その子が尻餅をついた為、刺すのを止めて、蹴りを2、3回いれました。
この時、ただこの子を懲らしめなければならないという漠然とした思いに突き動かされていました。
このように、被害者が全く言っていない「サリン君だサリン君だ」という言葉など、妄想、幻覚をみており、被告人は心神喪失であったと考えられるのだから、被告人は無罪である。


これね、実は検察官の冒頭陳述の時、裁判長が発狂してるんですよ。
いきなり「重複だ!」「公判前整理手続の時に言え!」などと怒りだし、検察官が「言いました」と言った為に、顔を真っ赤にして、更に激怒。
不愉快だ!と叫んでました。
つーか、大人なんだからさ、マジで勘弁してくれよ。
自分が周りから、どう見られるか考えてくれよ。
顔真っ赤にすることじゃないだろ…。
完全に白けたわ。
職場でさ、客の目の前で部下を叱りとばす行為ってタブーだろ?
そのくらいの常識は持ち合わせてるでしょ?
検察官に恥をかかせて、なにがしたいの?
マジで意味不明。

とにかく、この被告人。
かなーり、やばいです。
危険すぎです。
野放しにしたら大変なことになりますよ。
本当に被害者の子が死ななくてよかった。

個人的に、責任能力の点については、検察官と同意見です。
殺意についても、あったであろうと思います。
でもね、無罪でもいいんですよ。
とにかく病院に閉じ込めておかないと、危険極まりないです。
刑務所に行かないでもいいから、病院から出てきてほしくないと思います。
子供達を守る為にも、おかしい人は隔離しなければなりません。
別にね、こんなことをしないなら、いいんですよ。
でも、この被告人は無理です。

次回は、被告人質問です。
デビット・ボウイからのプロポーズが明らかになります。
つーか、プロポーズするわけねーっつーの。



最近世間を騒がしてる、子供殺害事件にならなくて、本当に良かったです。
タグ:殺人
posted by angry man at 21:45 | 東京 晴れ | Comment(3) | TrackBack(0) | 殺人裁判傍聴記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
  1. こんばんは。実はわたしも この被告と同じ病気なんですよね。なので今回管理人さんの言葉を聞き深く考えました。
    わたしは他人が何かを話しても真面目にきいてるんですが、判断能力が一般のかたに比べると落ちますし、妄想?みたいな思考になることもあります。恥ずかしい話しなんですが。
    ただ、善悪の区別はつきますので堪えます。頑張って堪えます。冷静な目をもつように努力します。だからこそ、今回の事件はなんというか悲しいですが管理人さんの意見に同感します。病院にいれるべきだと思います。自分の病気を認識する必要があるからです。
    悲しいですが、一般人の思考になれることは完璧には無理だと思います。しかしながら他人に迷惑を被ることは 障害者関係なく人として 間違ってますからね(><。)。。

    今回の事件には涙させられます。わたしにも娘はいますので余計に悲しいです。

    被告の親御さん、周囲の方...他人事だと思わず、難しいでしょうが挨拶だけでも 被告にしてあげたら良かったのではと、いろいろ考えさせられる事件でした。
    Posted by のりこ at 2008年09月25日 23:02
  2. この女性もチングレクトミー手術を施すべき
    Posted by CO at 2008年09月26日 19:26
  3. 社会経済が悪化する今日、精神疾患を患う人々が増えているようですね。
    今まで知らずに済んでいたことをネットによって知ることで脳天気であったはずの私自身の精神も正気を保つのが大変です。こんなに酷い人達が世の中にいたなんてという驚きから、この人は大丈夫かしら?という疑心暗鬼で妄想が行き過ぎたりもします。(特にネットでは)
    かと言って悲惨な状況を知らぬが仏で済ませてはいけないので精神のバランスをしっかり保ちながら現実を見据えたいと感じました。
    Posted by 子無き子 at 2008年09月27日 11:22
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/107135697
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック