一、裁判に至るまでの過程
まず、被疑者は任意同行という形で警察に連れて行かれます。(現行犯逮捕等もある)
その後、取調べを受け、逮捕状が出て留置されます。
この逮捕された時から48時間以内に送検(※1)して裁判所で勾留質問(※2)をします。
拘留が決定されると、10日間の拘留が認められます。
これは、更に10日間の延長が可能です。
この計20日間の間に、検察は起訴(※3)しなければなりません。
この間に警察は取り調べによって、供述調書(※4)を作りあげます。
それを元に、検察も検面調書(※5)を作成します。
こうして起訴された被疑者は、被告人になると同時に、基本的には拘置所に移されます。(例外もある)
この時点で、私選弁護人(※6)を雇えない人には、国選弁護人(※7)が付きます。
どうやら法律が変わって、国選でも起訴前につけられるようになるらしいが、今現在は不明。
そして初公判(※8)を迎えることになるのですが、逮捕されてから初公判が開かれるまでの期間は、約2ヶ月ちょっとです。
二、裁判
1,被告人の氏名、年齢、住居、本籍地、職業が裁判官から聞かれます。
2,検察官から起訴状(※9)の朗読がおこなわれます。
3,罪状認否(※10)がおこなわれます。
4,検察官の冒頭陳述(※11)。場合によっては弁護人の冒頭陳述もおこなわれる。
5,検察官の立証(※12)。
6,弁護人の反証、又は立証(※13)。
7,被告人質問(※14)。
8,論告求刑(※15)。
9,最終弁論(※16)。
10,最終陳述(※17)。
11,判決。
三、警察での取調べ
警察で作られる供述調書は、被告人の言葉では書かれていません。
被告人の自供をもとに警察官が自分の言葉で書いたものです。
なので、たまに弁護人が供述調書に対して、「こんな言葉を被告人が使うはずがないから、これは信用できない」と主張しますが、鼻で笑ってあげましょう。
弁護人も分かって言ってるのです。
そして調書作成後、被告人は署名指印をさせられます。
指印を押す際に使われるものは、赤のインクではなく、黒のインクで、左手の人差し指を使います。(これは決まりです)
警察で調べるのは供述だけではありません。
引きあたり(※18)や、目撃者の供述書や被害者の供述書の作成もおこないます。
取調べを1日中やることもありますが、1日3食の時は、留置場に帰してもらえます。
四、留置場と拘置所の違い
留置場は、警察内の代用監獄と呼ばれる、被疑者を留置する場所のことです。
逆に拘置所は、起訴された未決拘留者や、死刑確定囚を拘置する場所のことです。
細かな違いとしては、留置場だとタバコが吸えますが(例外もある)、拘置所では吸えません(例外はない)。
これ以外にも、基本的には留置場には冷暖房があり、拘置所にはありません。
五、判決の確定
判決をうけた日から、二週間以内に控訴(※19)、又は上告(※20)をしないと、判決が確定します。
※1 送検
被疑者の供述書や証拠物などを検察に送ること。
※2 勾留質問
裁判所で、罪状認否を行い、拘留するかどうかの判断を下すこと。
※3 起訴
検察官が裁判所に訴え、裁判をおこすこと。
※4 供述調書
被告人が、尋問に対して答え述べたもの。
※5 検面調書
被告人が検察官の前で、尋問に対して答え述べたもの。
※6 私選弁護人
被告人自らがお金を払い、雇った弁護人。
※7 国選弁護人
貧困の為、私選弁護人を雇えない被告人のために国が選んだ弁護人。
※8 初公判
1番初めの裁判。
※9 起訴状
検察官が作成した、被告人の犯した罪と、罪名、及び罰上が記載してあるもの。
※10 罪状認否
被告人が、起訴状に書かれている罪状を認めるかどうかを答えること。
※11 冒頭陳述
検察官、又は弁護人が証明すべき事実を述べること。
※12 検察官の立証
証拠となる甲、乙号証(※21)の提出。その他、証人尋問など。
これらに弁護人が同意すると、証拠採用が決定する。
※13 弁護人の反証、又は立証
さまざまな書証(※22)の提出。情状証人、又は証人尋問など。
これらに検察官が同意すると、証拠採用が決定する。
※14 被告人質問
被告人に対する、検察官、弁護人、裁判官からの質問。
※15 論告求刑
被告人の犯したとされる罪に対する検察官の意見。
最後は、このくらいの刑にしてくれと裁判官に訴えてしめる。
※16 最終弁論
被告人の犯したとされる罪に対する弁護人の意見。
最後は、無罪判決、又は寛大な判決を望む旨の言葉でしめる。
※17 最終陳述
最後に被告人が意見を述べること。
当ブログでは、『最後の一言』と表記している。
※18 引きあたり
犯行現場に被告人を連れていき、そこでの現場検証や写真撮影。
※19 控訴
一審の判決に対する不服を、基本的には高等裁判所にも申し立てること。
※20 上告
二審の判決に対する不服を、最高裁判所に申し立てること。
※21 甲、乙号証
検察官が裁判所に証拠として出す書証。
甲号証は、被害者の意見書などや供述書、目撃者などの供述書など、被告人に関する以外のもの。
乙号証は、被告人に関するもの。被告人の供述調書や戸籍や身上経歴などを纏めたもの。
※22 書証
書類による証拠。弁護人の出す書証は、弁号証と呼ばれる。
主に、示談書や、反省文など。
ただし、甲、乙、弁号証の意味は、刑事裁判でのものです。
これだけ分かってれば、より裁判を理解できると思います。
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